三重県熊野市の「七里御浜」にある「獅子岩」は、その名の通り獅子のような形をした巨岩です。海岸の隆起と海蝕現象により形成され、その高さは25m、周囲約210m。熊野灘に向かって吠えるような勇ましい姿に加え、長く連なる七里御浜は自然のスケールの大きさを感じさせる眺めでした。
「七里御浜」へと下りて「獅子岩」を見上げると、本当に獅子のようで吃驚。この岩は阿の岩(雄岩)といわれ、南側にある吽の岩(雌岩)とともに阿吽の岩とも呼ばれているのだとか。これらはこの奥にある大馬神社の狛犬にたとえられ、大馬神社では今も狛犬を置かない習わしなのだそうです。
こちらが南側にある神仙洞の吽の岩(雌岩)。
北側の海岸線。鬼ヶ城も見えていますが、獅子岩とともに国の名勝・天然記念物に指定されています。
南側へと長く連なる七里御浜。この砂利浜は約25㎞にもわたって続くそうで、自然のスケールの大きさを感じさせる眺めでした。ちなみに「みはま小石」と呼ばれる、熊野灘の荒波で磨かれた丸みを帯びた小石は、アクセサリーや建材、観賞用水槽などに利用されているのだそうです。
七里美浜は熊野古道・伊勢路の一部(浜街道)であり、獅子岩とともに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されています。伊勢路もゆっくり歩いてみたいと思っているので、いつかまたこの地に戻ってこようと思っています。