熊野三山・奥の宮「玉置神社」を参拝

奈良県十津川村の霊峰・玉置山(1076m)山頂近くに鎮座する「玉置神社」を参拝。玉置神社は、熊野三山の奥の宮ともいわれる聖地で、玉置山・玉石社は熊野を代表する磐座として古代から信仰を集めたといわれています。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。

熊野三山巡りは「玉置神社」からスタートすることにしました。というのも、熊野本宮大社には玉置神社の遥拝所があったことも伝えられ、熊野三山との結びつきが強い場所でもあるからです。こちらは駐車場からの景色。
奈良県十津川村「玉置神社」駐車場からの景色
駐車場から玉置神社本殿までは徒歩15~20分位でしょうか。参道には天然記念物に指定されている枕状溶岩や杉の巨樹群があり、清々しい気が満ち溢れています。とにかく圧倒されたのは、樹齢3000年を越える「神代杉」。3000年もの間、ここで何を見てきたのでしょうか。
奈良県十津川村「玉置神社」の神代杉
こちらは「大杉」で幹周は10.5mだそうです。
奈良県十津川村「玉置神社」の大杉
そして本社殿前へ。玉置神社の創建は、第十代・崇神天皇の御代、紀元前37年と伝わるそうです。大峯修験道の習わしに則り、まずは「玉石社」を目指すことに。ちなみに、本社殿から玉石社へは徒歩15~20分位でしょうか。
奈良県十津川村「玉置神社」の社殿
途中左手にあるのが「真名井社」で、ご祭神は天之水分神(あめのみくまりのかみ)、国之水分神(くにのみくまりのかみ)で水源をお守りになる神様です。山頂近くから水の湧出は非常に珍しいことだそうです。
奈良県十津川村「玉置神社」の真名井社
階段を上り、いよいよ念願の「玉石社」へ。ご祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。大木に守られるように玉石が鎮座しています。地表から顔を出している玉石をご神体としており、役小角(えんのおづぬ)空海如意宝珠を埋めた所、また、神武東征の折、玉置山で兵を休めた神武天皇が、玉石の上に神宝を奉り勝利を祈ったとも伝えられているのだとか。この玉石が「玉置」の地名に由来という説があるそうです。
奈良県十津川村「玉置神社」の玉石社
目を閉じ手を合わせると、優しい光がゆらゆらと射し込み、清々しい神気が伝わってくるようです。不思議なことに海の中にいるようなイメージでした。玉石社のすぐ近くには「三石社」があります。ご祭神は磐裂神(いはさくのかみ)、石折根神(いはさくねのかみ)訶遇突智神(かぐつちのかみ)
奈良県十津川村「玉置神社」の三石社
磐座は凛としながらも、とても優しく神々しい気が満ち溢れているようで、まさに聖地と感じられる場所でした。自然を敬い恐れ、崇拝することが原点なのですね。暫し、時を忘れここに留まりました。

その後、「三柱稲荷大明神」へ。ご祭神は、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、天御柱神(あめのみはしらのかみ)、国御柱神(くにのみはしらのかみ)。
奈良県十津川村「玉置神社」の三柱稲荷大明神
本社殿のご祭神は、国之常立尊(くにのとこたちのみこと)伊弉諾尊(いざなぎのみこと)伊弉冉尊(いざなみのみこと)天照大御神(あまてらすおおみかみ)神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと)
奈良県十津川村「玉置神社」の社殿
左手には「若宮社」と「神武社」があります。若宮社のご祭神は、春日大神(かすがのおおかみ)八幡大神(はちまんおおかみ)住吉大神(すみよしのおおかみ)。神武社は、訶遇突智神(かぐつちのかみ)早玉男神(はやたまをのかみ)高倉下神(たかくらじのかみ)をご祭神としています。
奈良県十津川村「玉置神社」の若宮社と神武社
その他、菊理媛神(くくりひめかみ)をご祭神とする磐座の「白山社」や、「大日社」(大日如来(だいにちにょらい))、「出雲社」があり、また社務所は重要文化財に指定されています。

グルッとお参りを終え、ふと気付けば3時間近くも経っていました。この神社は「呼ばれないと辿り着けない」なる噂もあるようですが、こうして参拝できたことを心から感謝!!

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