ランニング後、腰の痛みから始まった、まさかの「腰椎椎間板ヘルニア」。発症から数日後には激しい坐骨神経痛に・・・「死ぬほど痛い」と形容されることもあるその辛さを思い知ることに。突如走れなくなった50代サブ3.5市民ランナーがマラソン復帰を目指して、その経過を綴ります。今回は、発症から4週の経過です。
発症~1週
2024年10月13日夜、心拍ゾーン(2~3)・12.7kmを走り終え、帰宅すると腰に痛みを感じました。数日前にアップ/ダウンジョグ(計5km)+閾値走6km(平均4’19/km)をした後に腰に軽い痛みとハリがあったものの、その感覚が殆ど無くなっていたのでスロージョグなら大丈夫だろうと出かけたのが良くなかったんでしょうね。
(Polar Flow画面スクリーンショット) |
普段なら休んでいたと思いますが、某アプリで月間走行距離を競うイベントに参加していたことも影響し、あとちょっとという心理が働いてしまった・・結局は自分の未熟さゆえではありますが、まさか走れなくなるとはね・・(汗)
帰宅後の痛みは酷いものではなく、入浴とストレッチで良くなると軽く考えていました。ところが翌朝には腰から左の臀部にかけて痛みが強くなりました。とはいえ、鎮痛剤を飲むほどではなく、歩行も問題ありませんでした。
状況が変わったのは翌々日(Day3)から。腰から左臀部の激しい痛みで前屈みになることも座ることも辛く、むしろ立っていたり歩いている方が楽な状態。さすがに手持ちの鎮痛剤(アセトアミノフェン)を飲み始めました。
2009年に走り始めてから腰痛になることは年1~2度あるかないか、あっても3日もすれば治っていたのでもう少し様子を見ようと思っていました。(大学時代はゴルフ部、20代は立ち仕事や長時間運転が多かったため、腰痛持ちではありましたが(仕事以外で)病院に通うほどではなかった)
薬を飲んでいれば痛みは弱まり、歩行時は楽だったので、エントリーしていた「東京レガシーハーフマラソン2024」も記録を狙わず完走目的なら何とかなるかもと大会受付・EXPOへ。しかし、その後さらに坐骨神経痛が酷くなりDNSを決断。
1~2週
腰から左臀部、腰から左大腿裏、左臀部からふくらはぎ、日を追うごとにしびれや痛む範囲と場所が変わり、痛みは強さを増していきました。発症から6日目以降は立位や歩行時も辛くなり、また痛みで寝れないほどに。
たまらず8日目になって近医に駆け込みました。問診、X線、SLRT(下肢伸展挙上テスト)、腱反射・感覚・筋力など一通り診て、「腰椎椎間板ヘルニア」で間違いないと思うけど、仙骨まわりのトラブルの可能性もあるのでMRIをやった方が良いと言って、すぐに提携先のMRIを予約してくれました。
なかには簡単に「坐骨神経痛」(病名ではない)と片付け、しっかり原因を調べない医者もいますが(亡き父はそれで約8ヶ月放置され、その後手術となった)、とにかく毎回診察が丁寧で何年かに1回(故障の際)はお世話になっています。
処方された消炎鎮痛剤(ボルタレン25mg)と胃薬の服用を始め、全体的には楽になりましたが、それでも痛みの波によっては耐えられないほどの状態になることも・・坐骨神経痛は「死ぬほど痛い」と形容されることもあるようですが、その辛さを思い知りました。
座れない・前屈みになれない・歩けない・寝れない・じっとしてても脂汗が出るような激痛・・私の場合、特に夜から朝にかけて痛みが増し、本当に地獄の苦しみでした。
2~3週
発症から15日目、MRI画像データを持って再受診。主治医の第一声は「かなりの重症ですね」でした。診断名は腰椎椎間板ヘルニア、L5/S1(腰椎と仙骨の間)の左傍正中~後外側になだらかな突出、頭側に粗大な突出、高度な神経根圧排があるということでした。自分でも画像見て吃驚で・・
馬尾の異常信号、排尿排便障害や麻痺もなく、症状が軽くなっていることから保存療法で様子見ということに。ただし、1日も早くランニングを復帰したいなら手術を勧めるとも言われましたが相談の結果、保存療法を2~3ヶ月続け、症状が改善される様子がなければ、その際に手術という方向性に決定しました。
ただ、本当に不思議なことに15日目から嘘のように痛みがなくなり、その日以来消炎鎮痛剤は服用していません。症状としては、左臀部に軽いハリ、左足のしびれの範囲は日を追うごとに上から下へと移動し、その感覚も日ごとに弱まっています。
薬が不要になり、SLRの可動域が回復したら、少しずつ軽い運動を再開しても構わないということでしたので、15日目からはストレッチ、SLRの可動域が回復した18日目以降はウォーキングやエアロバイク、軽い筋トレも再開。
3~4週
少し運動できるようになると、欲が出てしまうのが悪いところ・・
11月10日に開催された「アクアラインマラソン2024」のフルマラソンの部にエントリーしており、アクアラインを走れるのをメチャクチャ楽しみにしていたんですよね。しかもこの大会は2年に1回、今回逃してしまうと次は2年後・・・フルの完走は無理にしても、海ほたるへ関門ギリギリペース(約9分/km以内)で進みDNFなら可能かも・・なんて良からぬことを考えていました。
そんなこともあり3~4週は、腰に負担がかからないよう歩き&小走りを3回実施。(←これは自分の勝手な判断で先生に言ったら怒られると思います)少しの間、チョコチョコとでも小走りが出来るようになったことにホッとしましたが、左足に踏ん張りにくい感覚がややありました。
3回の内訳は距離にして約4~5km、6~8割は歩き、2~4割が小走り、平均ペースは約9分/km(信号待ち含む)という感じで、もしアクアラインマラソンに参加していれば、おそらく海ほたる関門へは辿りつけたと思いますが、最終的には大事を取ってDNSを決断しました。
このようなことをしていたこともあり、4週にかけては症状は一進一退という感じでした。痛みはありませんでしたが、左臀部の軽いハリ、左足首の上から爪先の外側にかけて軽いしびれ、それが日によって少し強くなったり、弱くなったりの繰り返しでした。
日ごとの調子で一喜一憂してしまいがちですが、それでは辛いときもあるので、週単位もしくはそれ以上のスパンで考えるようにしていました。
痛みやしびれ以外の変化など
普段の血圧は120/80位ですが、酷い坐骨神経痛が出てからは急激に上昇し150~160台/100以上になって吃驚! 痛みがなくなってからは130台/90台にまで落ちてきましたが、未だ正常値には戻っていません。完全に下がらないのは、まだ自分に無自覚なストレスがあるのか?それともヘルニアそのものが自律神経を刺激しているのか? 理由はよく分かりません。
それとヘルニア発症後は、Polar(Pacer pro使用)の自律神経ステータスは「とても悪い」か「悪い」の連続で、睡眠中の各データは、平均心拍45→50台後半、平均心拍変動82ms→50ms台、呼吸数(分)12.5→16台、発症前のベースラインと比較すると高ストレス状態の数値が続いています。起床時、睡眠データを見るのが憂鬱になりました(苦笑)
ですが、血圧など他のバイタルとランニングウォッチの数値を組み合わせることによって身体の兆候が把握でき、ランニング以外での有用性も確認できる良い機会となりました。こうなるとVantage M3がますます欲しくなる(笑)
今後の目標
11月末には「つくばマラソン」、12月には「足立フレンドリーマラソン」にエントリーしていますが参加は未定。年内はほぼ絶望的なんでしょうけど、ギリギリまで希望を持ちつつDNSか参加するかを決めたいと思います。
より現実的?な目標としては、1月中旬に復帰のハーフ(完走目的)、2月中に調整のハーフ、3月にフルマラソン復帰、4月にもう1戦?、という予定を立てていますが・・どうなることやら(笑)
発症~4週までの症状:まとめ
- 発症~1週:腰の痛みから始まり、数日後に坐骨神経痛
- 1~2週:死ぬほど痛い坐骨神経痛に苦しみ、日常生活にも支障。痛みやしびれの範囲も日によって異なった。
- 2~3週:突然痛みがなくなり、消炎鎮痛剤が不要に。左臀部のハリ、左膝から下の外側に軽いしびれ有り。日常生活は全く問題なく、軽い運動再開。
- 3~4週:左臀部のハリ、左足首の上から爪先にかけて軽いしびれ。その症状の強弱は日によって一進一退といった感じ。早歩きや短い距離の小走りもできるように(無理はしない)。小走りの際、左足に踏ん張りにくい感覚が少しあり。
MEMO:参考にさせて頂いたHP等
- 腰椎変性疾患の道しるべ(脳神経外科:佐藤秀次先生のHP)
- 「腰椎変性疾患の診断・治療」、「腰椎変性疾患Q&A」等、とても分かりやすく説明されています
- ザムスト:腰椎椎間板ヘルニア
- 医療従事者向け
- 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第3版
- 理学療法ガイドライン(腰椎椎間板ヘルニアは第6章・背部機能障害)