熊野大神・最初の降臨地「神倉神社 (和歌山県新宮市)」

和歌山県新宮市の「神倉神社」は、熊野速玉大社の摂社で、熊野三所大神が最初にご降臨された元宮ともいうべき聖地です。「ゴトビキ岩」と呼ばれる巨岩をご神体とした、原始の自然崇拝の姿を残しており、神武天皇が東征の際に登った天磐盾(あめのいわたて)の地とも伝わっています。

ここへ来る前にお参りしていた「妙心寺」から神橋までは、距離にして約50~60mほど。橋の奥に見えるお社が猿田彦神社と神倉三宝荒神社です。
和歌山県新宮市「神倉神社」
鳥居前。鳥居の先はとても急な石段が続きます。この石段は538段もあり、源頼朝公の寄進と伝えられています。かなりの急勾配なので、高所恐怖症の方はご注意を。また、歩きやすい靴・服装での参拝をお勧めします。

ボランティアで掃除されていた方に聞いたところ、転倒して救急車で運ばれる人もいるのだとか。その方は「興味本位で来る場所ではない。浮ついた気持ちの人が怪我をしている」と仰っていました。
和歌山県新宮市「神倉神社」の鳥居と石段
これほど急な石段を、御灯祭の際は白装束に身を固めた祈願者が、ご神火を受けた松明を持って馳下りるというから驚きですよね。
和歌山県新宮市「神倉神社」の石段
しかし、急なのも半分くらいまでで、その先は緩やかになります。
和歌山県新宮市「神倉神社」の石段
この鳥居を越えるとゴトビキ岩が見えてきます。ここまでは10~15分位でしょうか。
和歌山県新宮市「神倉神社」
拝殿とゴトビキ岩。ちなみに「ゴトビキ」とは、ヒキガエルを意味するそうです。ご祭神は天照大神高倉下命。神倉神社は熊野速玉大社の摂社で、熊野三山(速玉・那智・本宮)の神々が最初にご降臨された熊野信仰の根本ともいうべき聖地です。「高倉下命」は、神武天皇に霊剣・布都御魂をもたらした人物で、熊野三党(宇井・鈴木・榎本)の祖といわれています。農業漁業の守護神として御神徳が高いのだそうです。
和歌山県新宮市「神倉神社」の拝殿とゴトビキ岩
古代の磐座とされ、御神体であるゴトビキ岩の迫力には圧倒されます! 自然崇拝の姿が今に残されているこの地では、実際、弥生時代の遺跡や経塚なども発掘されているのだそうです。また、古事記、日本書記に記される、神武天皇が東征の折に登った天磐盾(あめのいわたて)の山がここ神倉山といわれています。

なにより、これほどの巨大な岩がまるで置かれたようにあるのも不思議な光景でした。境内には、ボランティアで掃除なさっている方が多数いましたが、このような方々のお陰で聖地が守られているのですね。
和歌山県新宮市「神倉神社」のゴトビキ岩
さらに見晴らしも良いですよ~。
和歌山県新宮市「神倉神社」からの景色
この地ではKさんと出会い、ある場所へとご案内頂きました。その方との出会い、そして、その場所での体験は、一生忘れることはないでしょう。熊野三山巡りの中で、最も印象に残る素晴らしい神社でした!!この聖地にお参りできたことを心から感謝!!

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