和歌山県新宮市の「妙心寺」へ

神倉山の麓にある「妙心寺」は、古くは熊野比丘尼(くまのびくに)の本寺であった、とても由緒ある尼寺です。神倉神社の御灯祭の際は、上り子が阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺の順で、神倉山に上る前に参詣する潔斎の場であるという話を伺い、その順序に則りこちらをお参りしました。

妙心寺はひっそりと佇んでいるので、1度通り過ぎてしまいました。
和歌山県新宮市「妙心寺」
天仁二年(1109)、鳥羽院の熊野御幸に供奉した永信尼(えいしんに)が住し、大治三年(1128)には白河院の女院が、心妙なる霊夢を得たことから寺を建立、寺号としたと伝えられています。神倉聖(修験者)の拠点や熊野比丘尼の本願寺院として栄えた歴史を有しています。
和歌山県新宮市「妙心寺」の由来
妙心寺堂舎。ご本尊は、神倉神社の本地仏・愛染明王。神倉神社・御灯祭の際には、上り子が阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺の順で、神倉山に上る前に参詣するのだそうです。「上り子」とは、御灯祭でご神火の松明を持って、神倉神社から石段を駆け降りる、白装束に荒縄を絞めた男子のこと。
和歌山県新宮市「妙心寺」堂舎
きっと知らなければお参りすることもなかったと思いますが、これほど歴史と由緒のあるお寺が廃寺となっている現状は、とても残念でなりません。歴史の波に翻弄されてきたのでしょうね。さて、この後は「神倉神社」へ。つづく。

MEMO

  • 撮影:2009.11.25
  • Wikipedia:妙心寺
  • 駐車場なし(近くに神倉神社の無料駐車場あり)