そもそもこのコースを歩いたきっかけは、都内から近く、展望やハイキングも楽しめ、気軽に歩ける場所が良いという姉の希望から。幾つか挙げた場所の中から天園ハイキングコースに決定。ということで、姉にお供し、北鎌倉駅から「臨済宗建長寺派大本山・建長寺」へ。参考までに、建長寺は拝観料が必要ですが、明月院脇の道からハイキングコースへ入ればお金はかかりません。
建長寺は、鎌倉幕府5代執権・北条時頼によって創建され、鎌倉五山第一位の禅宗寺院。境内は、「建長寺境内」として国の史跡に指定されています。到着したのは拝観時間前でしたが、早めに開門して下さいました。三門(山門)は1775年(安永4)に建立され、重要文化財に指定されています。
三門をくぐって仏殿(重要文化財)へ。中にはご本尊の地蔵菩薩坐像(室町時代作)などが安置されています。
さらに、急な階段を登っていくと、勝上けん展望台。鎌倉の街並みと相模湾が一望。西側には、霞む先に辛うじて富士山が見えていました。
さて、この先は雰囲気がガラっと変わり、緑の中のハイキング。木の上を注意しながら歩いていると、何匹ものタイワンリスを見かけました。
少し歩くと、かながわの景勝50選である十王岩に到着。岩の上からは、鎌倉の街並みと相模湾。海へと延びる若宮大路のラインもハッキリ分かります。この十王岩が頼朝の古都・鎌倉の都市計画の基準となったという説もあります。こうして見ると、三方が山に囲まれていることが良く分かるな~。
岩には風化した観音菩薩、地蔵菩薩、閻魔大王の磨崖仏。夜毎、不気味な音をたてていたことから「喚き十王」とも呼ばれたのだとか。この下は地獄谷と呼ばれた葬送の地で、建長寺開創前は処刑場でもあったことから、処刑された者達の喚き声と恐れられたそうです。
十王岩から数分歩くと、やぐらと呼ばれる横穴墓。鎌倉時代中期から室町時代前半にかけて作られたものらしい。ハイキングコースには、このようなやぐらが幾つも見られます。中には首のない石仏。これは廃仏毀釈で破壊されたもの?それとも、石仏の首を懐に入れて博打をすると縁起が良いので首が取られたという話もありますが、詳細はよく分かりません。
やぐらの上には弘法大師像。
この後は、鎌倉市最高地点の大平山(159.2m)を目指して、先へと進みます。つづく。「鎌倉アルプス・天園ハイキングコースへ(2)」
MEMO
- 撮影:2015.10.12
- コース:北鎌倉駅~建長寺~半僧坊~勝上けん展望台~十王岩~大平山~天園(六国峠)~瑞泉寺~鎌倉宮~鎌倉市農協連即売所~由比ガ浜~鎌倉駅、距離約13.5㎞(拝観含む)
- Wikipedia-神奈川の景勝50選
- ハイキングコース上のトイレ:建長寺境内(唐門前)、天園、瑞泉寺、鎌倉宮、由比ガ浜